だからそれは、愛じゃない。
朱里を家まで送るも、玄関先で『アリガトウ』とお礼を言われるなり、家には入れてくれなかった。
おばさん達には自分で説明したのだろうか。”転んだ”と無理矢理すぎるウソを吐いたのだろうか。
翌日、学校へ行くと朱里は休みだった。
良太が俺たちのクラスにひょこっとやってきて『朱里さん、休み??』と聞いてきた。
「休み。………悪いけど、朱里には鶴田の事は話せない」
良太に『話して』と言われていた為、俺は早速話してない事を伝える。
すると、『和谷くん。俺たちはこれからどうすればいいと思う??』――こう、雲った顔で聞いてきた。
”どうすればいいと思う??”って、どういう意味だろう。
良太が行き詰まるなんて考えられない。
もし行き詰まっているなら、尚更、どうすれば良いかなんて分からない。
何も答えないでいると、
「否定できない証拠を1つ残らず探す事だよ。DVも、浮気も。じゃないと、例え朱里さんを救えたとしても、浮気相手が報われない」