だからそれは、愛じゃない。
”俺好きな子いるし”と口走った言葉を聞いた高城は、
「へーっ! 誰?? 私が知ってる人かな??」
それはそれは楽しそうに、興味津々に聞き返してくれた。
……どうやら、この手の話は好きなようだ。
だからこのチャンスを逃すまいと、
「高城も知ってるヤツだよ。中学でも一緒だった佐野朱里」
恥を忍んで打ち明けた。
高城は『あーっ、佐野さんかあー』苦笑いしながらウンウンと頷いていた。
……………高城??
表情が少し暗くなったのが気になった。………何か知ってるんだ。それか、朱里と鶴田が良く一緒にいる事を知ってしまっているんだろう。
今が高城を味方につけるチャンスだと思った。
「そー、でもさ。朱里って鶴田………鶴橋と仲良いじゃん?? だから、俺、可能性ないのかなって………」