だからそれは、愛じゃない。
私の”ショックを受けると思う”という言葉に、『朱里さんはまだ鶴橋くんの事を心配する優しさがあるんですね………』と、ますます落胆してしまった高城さん。
………違う。優しさなんてない。
私がそういう風に言ったのは、その裏に隠されてる事を高城さんに実行してほしいからだよ。
「高城さん。作戦実行する日、何か予定ある?」
「バスケ部の練習試合だけですけど………ご一緒してもいいですか??」
「それはダメ。けど、高城さんにお願いしたい事があるの。高城さんにしかできないの………」
”高城さんにしかできない”と訴える私に協力してくれるらしい、高城さんは大きく頷いてくれた。
「作戦が終わった後、鶴橋くんは間違いなく高城さんに電話をしてくると思う。だから、その内容を教えてほしいの……」