だからそれは、愛じゃない。

「高城さん、私ね、自分のヒーローは祐樹だって思ってる。高城さんのヒーローもちゃんといるの私、知ってる」


「………ヒーロー？？ 確かに和谷くんは朱里さんの事が好きですが………あっ」


　高城さんは『しまった』と焦ったように口を両手で塞いだ。高城さんが可愛くてついついフッと笑ってしまった。


　大丈夫、もう知ってるから。


「高城さんの事を想ってる人もいるの、私知ってるから」


　……間違いなく、高城さんのヒーローは良太くんだから。


　だから絶対、良太くんが助けてくれる。



「………私のヒーローってどんな人ですか？」


　少し元気になったらしい、さっきより表情が明るくなった高城さん。私にウキウキした目で質問してきた。