だからそれは、愛じゃない。
「そっか。できるなら自分で"善意のヒーロー"を見つけたいから、朱里さんは黙っててくれますか??」
「もちろん!!」
好きな人に最悪な事をされて、気まずい話し合いだったはずなのに、ほんの数分でこんなにも高城さんと笑い会えてるなんて……
きっと鶴橋くんの事がなかったら、きっと高城さんとこんな風に笑い会う事もなかったのかな………
そう考えると、ほんの少しだけ鶴橋くんに感謝する事ができた。
高城さんと笑いあっていると、ふと、私の視線がある物に釘付けになった。
それは高城さんの制服のポケットから飛び出てるストラップ。
鶴橋くんとお揃いで買った猫のストラップだった。
「高城さん、私もその猫のストラップ持ってるよ! ほら!!」
と、自分のスマホを取り出し、つけてる事を見せてみた。