だからそれは、愛じゃない。
………叩くなんて考えすぎだよ。
いくらなんでも鶴橋くんはそんな事する人じゃない。
「俺が自分勝手って言うなら、和谷くんも自分勝手だろ! 和谷くんも『幼なじみ』って立場を利用して、朱里と一緒に帰りたいって意見を頑なに曲げないだろ! 叩いたりする根拠もないのに可能性だけで『かもしれない』事を言ってんなよ」
………ど、どうしよう。
私のせいで、二人の言い争いがヒートアップしている。
話を聞いてると鶴橋くんは頭の回転が早い。
そんな鶴橋くんに祐樹が口で勝てっこない。そう思うけど、今日の祐樹は喋る。鶴橋くんの頭の回転の速さについていけてる気がする。
「『かもしれない』で言ってるんじゃない。『一緒に学校行くな』って言ってる時点でもう、束縛だろ。そんな器が小さいヤツに、朱里は渡さない!!」
………祐樹。
そんなに私の事を心配してくれてたんだ。
祐樹の思いに、感極まって涙が出そうになった。
頑なに自分の意見を貫き通す祐樹に折れたらしい『………分かったよ。でも今後俺と朱里の邪魔だけはしないでね』と言い残し、鶴橋くんはその場から立ち去ってしまった。