【中編】彼女様は甘い味。




「ふあぁ…っ!」

自分の部屋に着くなりゴローンとベッドに寝そべりながら大きなあくびを一つ。



部屋の中は“ピンク、ピンク”

ピンクにレースのカーテンに、フカフカのお姫様風ベッドに家具。


甘い香りの芳香剤が奏音の気持ちを落ち着かせる、

そんな部屋。





…今日一日にたくさんのことがありましたぁ。


見るから危なそうな、葛木先輩。
きっとあの人は色んな女の子にああゆうことをしているんじゃないでしょうか?

気をつけなくてはいけないですね…



でもあの大塚先輩はとてもいい人でしたっ!

…お菓子好きさんには悪い人はいませんし…、良かったです。



と、間違った考え方の奏音。



それと、…山瀬先輩。

無口ですけどきっと良い人なんだと思います!!


だってあの結衣ちゃんの幼馴染の方なんですから、絶対です。






…そして、

あの怖い姫山先輩。



バンド名が『Devil』なだけに、きっと…、いや!確実に彼は悪魔です!

初対面のあたしにあんな言葉や態度。


考えられませんっ!



でも…、姫山先輩となんて、関わらなければいいんです!!


そうだ!はいっ、…そうです!


そんなことを考えながら奏音は眠りに落ちていった…、






…しかし、

この“姫山蓮二”という男はこの先、奏音の人生に大きく関わる人物となる事を奏音自身も、蓮二自身も、



まだ知らないのです…。





―只今午後10時過ぎ。


奏音就寝。



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