【中編】彼女様は甘い味。
だいぶもう外も涼しいんですね…、
そんなことを思いながら。
「…桜木?」
すると男子寮の入り口で手を振っている人を見つけて、すぐにそれが隼人くんだと分かった。
…なんか、久し振りです。
「…お久し振りです」
ニコッと笑って奏音はそう言うと、歩き出した隼人の後ろをついていく。
「桜木はさぁ…、
好きな奴とかいる?」
寮の側にある小さな公園に入って、ベンチに座った時…
ちょっと真剣な顔をして隼人がそう言った。
…好きな、奴。
「いません、けど…?」
何も考えずに奏音はそのまま答える。
「気になってる人も…?」
何だか今日の隼人くんは、…変です。
違和感を感じながらも、
「は、はい…」
っと、言う。
「じゃぁ、…葛木先輩は?」
何でここで葛木先輩が出てくるのかが分からないと思いながらも、
奏音は首を横に振る。
その後も、大塚先輩、山瀬先輩…と聞かれて。
次に誰を聞くのか、自分の中でも分かるような気がして…
すると、何故か心臓がうるさく鳴り出すのが自分でも分かった。
…っ?
自分自身に驚く自分。
隼人くんは、…相談があったんじゃ?
どうしてあたしの話しになってるんですか…?