二人だけの秘密
プロローグ
✳︎

『3月22日《土》午前2時13分』



「自殺するこの日ぐらい、僕の人生そっくりな大雨だったらいいのになぁ‥‥‥」

そう言って僕は、二階建ての屋根から地面を見下ろした。

高さは十メートル以上あったが、生きる気力を失った今の自分は、死ぬ恐怖を感じなかった。

「美希さん、今から僕もそっちに逝くよ」

大好きだった彼女の名前を最後に口にして、僕は足がすくむ高さから飛び降りた。

ーーーーーードスンーーーーーー





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