二人だけの秘密
「いらっしゃいませ」

風俗店の中に入ると、松岡店長が僕を待合室までいつも通り案内する。

「申し訳ございません。利恵は、まだお休みなんですよ」

何度も店に通っているから顔を覚えられたのか、僕が美希さんの客だということを知ってくれていた。

でも、「いえ、今日は違います」と、僕は断った。

「えっじゃどなたでしょう?」

松岡店長は目を丸くし、ていねいな口調で言う。

「坂口かなさんは、今日来ておりますか?」

あの爆サイの掲示板に書かれていたことを全部信じられないまま、僕は松岡店長に低い声で訊いた。

「はい、来ております」

すんなりと、松岡店長が答えた。

ーーーーーーどうやら、あの掲示板サイトは本当らしい。全部とは言えないが………


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