二人だけの秘密
「はい、次の人」

次の人と入れ替わり、僕は自分の席に戻った。

「未来、何番だった?」

僕が席に戻ると、裕也が興味深しげな顔をして聞いてきた。

「今、見るところ」

そう言って僕は、二つ折りにされた白い紙をめくった。ドキドキと、自分の心臓の鼓動が高鳴っているのを感じる。

「………4だ」

白い紙を開けたと同時に、僕の瞳に数字の4が飛び込んだ。

ーーーーーーまた、美希さんと離れた。

「やった。また俺たち、一緒だな」

「そうだね、ははは」

裕也が小さくガッツポーズをして喜んでいたが、僕は彼とは正反対の気持ちだった。

「美希さん………」

空いている教室の窓の外から聞こえるツクツクボウシの鳴き声が、僕をバカにしているように聞こえる。
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