極甘求婚~クールな社長に愛されすぎて~
所長が出て行った後、恥ずかしながらも、いつものように向かい合って座り、私が勤める事務所には仕事に支障が出ないように関係者との恋愛が禁止されているということ、私自身がその理由に納得していていたからそれを忠実に守っていた、ということを話した。
「つまりあの言葉の本当の意味は『関係者でなければ好きになれたのに』そういうことだったのか?」
「…はい」
紬の言葉に頷いて答えると彼は口元を手で覆い、顔を背けた。
「俺のこと嫌ってたんじゃないのか…」
そう呟いたのが聞こえたので慌てて否定する。
「違います。そんな風に思うわけないじゃないですか」
「なら、なぜ、気持ちを話してしまった?俺が断るにしても断らないにしてもその規則の通りなら気まずくなり仕事に支障が出るだろう」
たしかにその通りだ。
ただ、言い訳をさせてもらえるなら、紬が私の独り言に気を取られなければ私だって気持ちを伝えるつもりはなかった。
でも言ってしまったものはしょうがない。
どちらにしろ気まずい思いをしていたし、紬への気持ちに偽りはない。
覚悟を決め、紬を呼ぶ。
「社長」
こちらに視線を向けてくれたのを見届けてからきちんと告白する。