極甘求婚~クールな社長に愛されすぎて~
立ち上がり、勢いよく頭を下げてリュックを手に持つ。
そして部屋から出ようとしたのに、ドアノブに手を掛けた瞬間、後を追って来た紬に腕を掴まれてしまった。
「ちょっと待て。さっきからなにを好き勝手に言ってるんだ。迷惑ってなんだ?好意ってなんだ?規則ってなんだ?」
「え?気付いてたんですよね?私が社長のこと好きだって。だからあえて態度を変えたんです、よね?」
話しているうちにどんどん深くなっていく紬の眉間のシワを見て、なにかが違う気がしてきた。
首を傾げ、もう一度聞く。
「私の気持ちに気付いたんですよね?」
「気付くはずないだろ!」
予想以上に大きな声に驚き体がビクッと反応してしまった。
そのことに紬は「すまない」と小さく謝り、私を掴んでいた手を自身のこめかみに当てた。
「勝俣くん」
紬の背後から所長に声を掛けられ、体を傾けてそちらを向ける。
すると手招きされたので紬に小さく頭を下げてから小走りで近寄る。
「余計な規則で縛ってしまって悪かったな」
消え入りそうな声はとてもじゃないけど耳をそばだてないと聞こえない。
次の言葉は聞き逃さないようにと少しだけ距離を縮め、耳を寄せる。
「あの言葉は『社長とは関係者でいたくない』『関係者でなければこんな誘いは断ったのに』『関係者でなければ繋がれた手だって振り払えるのに』そういう意味に聞こえた。多分、彼も」
「え?!」
なんでそんな解釈になってしまうの?
混乱する頭をフル回転させて考えてみる。
すると所長が答えをくれた。
「関係者との恋愛禁止を彼は知らないだろ」
「あぁ!」
なるほど。
そう言われて考えてみれば解釈の違いに気付く。
「ふたりできちんと話しをして来い」
「でも…」
規則が、と言おうとしたとき、所長が裏の意味を耳打ちしてくれた。
そして部屋から出ようとしたのに、ドアノブに手を掛けた瞬間、後を追って来た紬に腕を掴まれてしまった。
「ちょっと待て。さっきからなにを好き勝手に言ってるんだ。迷惑ってなんだ?好意ってなんだ?規則ってなんだ?」
「え?気付いてたんですよね?私が社長のこと好きだって。だからあえて態度を変えたんです、よね?」
話しているうちにどんどん深くなっていく紬の眉間のシワを見て、なにかが違う気がしてきた。
首を傾げ、もう一度聞く。
「私の気持ちに気付いたんですよね?」
「気付くはずないだろ!」
予想以上に大きな声に驚き体がビクッと反応してしまった。
そのことに紬は「すまない」と小さく謝り、私を掴んでいた手を自身のこめかみに当てた。
「勝俣くん」
紬の背後から所長に声を掛けられ、体を傾けてそちらを向ける。
すると手招きされたので紬に小さく頭を下げてから小走りで近寄る。
「余計な規則で縛ってしまって悪かったな」
消え入りそうな声はとてもじゃないけど耳をそばだてないと聞こえない。
次の言葉は聞き逃さないようにと少しだけ距離を縮め、耳を寄せる。
「あの言葉は『社長とは関係者でいたくない』『関係者でなければこんな誘いは断ったのに』『関係者でなければ繋がれた手だって振り払えるのに』そういう意味に聞こえた。多分、彼も」
「え?!」
なんでそんな解釈になってしまうの?
混乱する頭をフル回転させて考えてみる。
すると所長が答えをくれた。
「関係者との恋愛禁止を彼は知らないだろ」
「あぁ!」
なるほど。
そう言われて考えてみれば解釈の違いに気付く。
「ふたりできちんと話しをして来い」
「でも…」
規則が、と言おうとしたとき、所長が裏の意味を耳打ちしてくれた。