極甘求婚~クールな社長に愛されすぎて~
「担当の変更なんて許可しない。交際も、断らない」
「え?」
今、なんて言ったの?
解任も、交際も断らない?
真意を確かめるように見ると、しっかりと目が合った。
その瞬間、鼓動がドクンと強く跳ね、その衝撃に呼吸も体の動きも時間さえも止まってしまった気がした。
でも紬が立ち上がり、私の元で跪き、体をふわりと優しく抱き締めてくれたことで時間が流れ始めた。
「良かった」
安堵の声が耳元で響く。
「嫌われたと思っていたから…まだ少し混乱してるがそれ以上に嬉しい」
絞り出すような声に心が震える。
そしてジワジワと言葉の理解が広がり、目頭が熱くなってきた。
「本当に?両想い…なんですか?」
震える声で聞くと、紬は一度強く抱き締めてから、ゆっくりと離し、私を見上げた。
「きみが好きだ。きみの言動に左右され、大人気ない態度を取ってしまうほど、きみのことが好きだ。だから…結婚を前提に付き合おう」