忘れてしまえ、私の心。


公園に着くとさっきの事を思い出す。


別に、思った事を言ってしまえば良かったのではないか。そうすれば、優しい葵は必ず怒る。


もちろん、私がふたりに遠慮していると思って。私が自分を大切にしないと思って。


そうしたら、私がもっとそういう風にすれば、葵は私に幻滅して嫌いになってくれるかもしれない。


いや、これも現実逃避か。


やはり私は滑稽だ。


なぜ、私が苦しい理由を葵に押し付けようとしているのか。


すべては私が忘れればいいだけの事。一方的に想っているのは、私なんだから……




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