君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー

遼馬が、そう言うと和泉は深く頷き返し、再び口を開いた。

「………そこで、迷ったのが進路。彼女は、俺に将来やりたいことを見つけてくれと言った。俺が、それをできたら彼女は幸せなんだって。 

けど俺は………、今まで、親から決められた政治家というルートしか考えてなかった。だから、本当にやりたいことっていうのが分からない」


「それは、政治家にはなりたくないってことか?」

「元々、望んでた道じゃない。………櫂兄さんの夢を、追うのが正解だと思って必死にやってただけ」

そう言った和泉の表情は、少しだけ苦渋の色を滲ませた。

「そ、っか………。 和泉が、政治家を目指していたのは櫂さんのことがあったからなんだな」

「ああ。………それに、縛られてばかりの俺を、彼女は救ってくれた。

彼女のためにも、俺はどうしても自分のやりたいことってやつを見つけたい。

どうすれば………、それが分かる?………教えてくれ」




< 362 / 662 >

この作品をシェア

pagetop