君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー
「えっ、えっ………えっ?」
いきなりの和泉の言葉の数々に、完全に戸惑っている優葉を見、和泉はフと微笑んだ。
「つまり………俺が言いたいことは。 橘 李人は先生のことが好きなんだから、絶対先生が何を言っても受け止めてくれる。
だから、怖がらずに………今、自分が言いたいことを全部ぶつけて、仲直りしてきなよ。 絶対、我慢なんてしないで。
それは、先生の弱さで直さないといけないとこ」
「私の………弱さ………」
今まで面と向かって誰かに自分の弱いところをこんなにもハッキリと言われることのなかった優葉は、改めてその意味を理解するように言葉を反芻する。
「………うん。 そうだね………。 私は、いつもいつも言いたいことを我慢していた。 そして、それを言う機会もなかった………」
(あれ………? でもそれは、どうしてだろう)
そう疑問に思い始めた時、優葉のスマートフォンが鳴り響いた。