君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー
「………実は、日の丸テレビの土曜22時の枠で主演の依頼がきている。あの脚本家の山本慎二がオーディションもなく、李人に演じてほしいと書き下ろしたものだ。話のジャンルとしてはヒューマンストーリーだな」

「あの山本 慎二が、俺の為に?」

凄い仕事が舞い降りてきたと、李人は思った。
脚本家の山本 慎二といえば数々の著名なドラマを生み出してきた謂わばヒットメーカーだ。

漫画やアニメが原作になっている最近においても、自分の書いた脚本で高視聴率を叩き出している。

ーーーそのような脚本家が、李人のために作品を書き下ろした。

これこそ俳優冥利に尽きるというものだ。

「演ります。演じさせてください。あの山本さんの書き下ろしだなんて光栄ですし、ヒューマンストーリーも今までに無かった経験で、新境地が開けると思います」

「ああ、俺もそう思うが………即座に引き受けられなかったのには理由があってだな」

「?理由?」

「………このドラマの舞台なんだが、埼玉県なんだ」


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