君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー
"ーーー優葉さんが、李人の元にいる。 2人で話をさせようと思って、病室から出た"
その瞬間、怜は先程、李人の病室へ向かおうとした時、病室が入っている階の廊下で斉木と鉢合わせになった際のことを思い出した。
(李人は今、優葉ちゃんと2人きりだ………。悪いけど、それを妨げさせる訳にはいかない)
そう思った怜は、ゆっくりと眼鏡を外した。
「自己紹介が遅れて、申し訳なかった。東田 怜といいます。 橘 李人と同じスターズ所属の俳優です」
「橘 李人………?」
「………李人は俺の後輩で、仲が良いんです。
だからたまに埼玉も訪れていて、優葉さんのことも李人から聞いています。
そういうわけで、あの日は彼女につい声をかけてしまった。
彼女は………、優葉さんは、李人にとって今もかけがえのない女性だから」
それを聞いた途端、和泉の顔色が変わったのを怜は見逃さなかった。