君は、近くて遠い。ーイエナイ三角関係ー
N市は、R町からバスで1時間程で、李人がいる神社は、N市で一番大きい。
特に安産祈願、子孫繁栄、無病息災で有名だ。
なので、お宮参りや七五三の時期は子連れの家族が多く来る。
その光景を、和泉はN市を訪れた際、時折見ていた。
「………あそこか」
(午前中で授業は終わりだ。 ………行ってみるか、ここに)
和泉は、地図アプリで神社の正確な場所を調べた。
(橘 李人に会い、文句を言えば………、この苛立ちも少し収まるかもしれない)
「………行ってやるよ」
和泉は、ドスの利いた声でそう呟いた。
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神社の鳥居前に着くと、和泉は唖然とした。
「李人くーーーんッ!!こっち見てーーーっ!!」
「ヤバイ!! めっちゃイケメン!!めっちゃイケメン!!」
「カッコいーーーっ!」
「押さないで!!そこ通して下さい!!」
「何だよこれ………」
いつもは、家族連れで賑わい、穏やかな神社。
しかし、今は李人を一目見ようと殺到した多くのファンに、野次馬、彼らを抑えるスタッフ、そして窮屈そうに歩きながら黒のワゴン車へ向かう李人がいた。