ミントブルーの純情
———みつに、彼女ができた?
改めて自分の中でその事実を繰り返して呟いてみても、なんだか上手く呑み込めない。だって、あのみつが、彼女を作るなんておかしい。
……しかも、こんなに突然。
「……まあ、あいつ、顔だけはいいからねー」
ははは、って。乾いた笑いだなあと自分でも思う。
みつのいいところ、たくさん知ってる。顔だけじゃないってこと、むしろ私が一番知っているつもり。それなのに———弟だから。こんな風に、みつのこと、言わなきゃいけない。
私たちが、〝家族〟で〝姉弟〟だから。
『……あお』
みかちんの、少しかすれた声が耳元に届く。いつも笑っているみかちんの、こんな声を私は初めて聞いた。
「……なに? みかちん」
私が出した明るい声に、失敗はなかったと思う。いつも通り。何年もこうやって笑って生きてきた。だから今回だって、大丈夫なはず。
『……大丈夫?』
不安そうなみかちんの声が私の耳に届いた瞬間———私は反射的に、通話終了ボタンをタップしていた。