ミントブルーの純情
ダークグリーンの葛藤
『ねえあお! みつくん彼女できたって本当?!』
みかちんからの慌てた電話は、あの日から1週間もしないうちにやってきた。3回目のコールで何も考えずにスマホを手に取ってしまった能天気な私にはちょっと刺激が強すぎる。
「え、何言ってんの?」
『だから、みつくん!彼女できたらしいけど!』
「本当に言ってる?」
『ほんとだよ!バスケ部の奴に聞いたもん。マネージャーとついにくっついたって』
バスケ部のマネージャー。咄嗟に思い浮かんだのはユカリちゃんの、あの可愛らしい照れた笑顔。
「そうなんだー……全然知らなかった、はは」
『私もびっくりだよー。みつくん彼女作るなんて……。いつまでもあおにベッタリかと思ってた』
「はは、そんな訳ないよ。みつだっていつかは彼女作って結婚するんだし……むしろ遅いくらいだよ」
『まあ確かに、今までいなかったのが不思議だよねえ』
お風呂から上がって、髪を乾かして。まさに今、みつの部屋へ向かおうとしていたところだったのに。
まさかの内容すぎて、実感が全然湧いてこない。……みつに彼女ができた。それってつまり、みつに『いちばん』の人ができたっていうこと。