ミントブルーの純情
チャコールグレイの不安
群青家の朝はいつも慌ただしい。
「ちょっと! みつ、洗面使ってないで早くどいて!」
「はあ? うるせえ。こっちは忙しいんだっつーの」
「アンタはオトコでしょー?! わたしはオンナノコ! 寝癖直さなきゃ学校いけない!」
「寝癖なんか直さなくても変わんねーからそのままいけブス」
「ほら、みつ!あおちゃんのこといじめないの」
私たちの言い合いを聞いて牛乳片手にやってきたお母さんが、パシッと一発みつの頭を叩いた。
私がそれにクスッとわらうと、みつがギンッと私を睨む。お母さんは呆れて肩をすくめるし、後ろからお父さんまでやってきて、「ほんとに、高校生にもなって仲がいいんだか悪いんだか」なーんてため息をこぼす始末。
私はそんな3人を洗面所の外へ追いやってやる。年頃の娘が毎朝髪型を気にするなんて当たり前なんだから、もうちょっと気を使ってくれたっていいのに、ばあか。
扉に向かって舌を出すと、それに気づいたみつがまた睨みをきかせてくる。なんて生意気な弟だ、ばあか!