幸せ日和
友紀(ともき)が来てから、2ヶ月程が経ち、季節は夏から秋に変わった。

最近、日和(ひより)は異常な程の眠気があり、休憩中に、休憩室で横になる事が多くなった。

その日も、いつものように横になっていると、何かが唇に触れた。
目を開けると、誰もいなくて、軽く首を傾げると、再び眠りについた。
するとまた、何かが唇に触れたが、気のせいだと思う事にした。

…実はこの時、休憩室の押し入れに、友紀が隠れていた。
唇に触れたものは、友紀の唇。

別れさせるくらいの衝撃を、未来(みく)に与えなきゃいけないのだが、キス以上の事は、友紀にはどうしても出来なかった。

眠っていて、意識のない日和に、キス以上の事をするのは、卑怯だし、そんな事をする自分が汚らしく感じたから…。
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