君が見せてくれた、私の世界
「…君は、誰よりも愛されている。
だからもう…命はいらない、なんて言ってほしくない。」


「…!」


「君を愛してくれている人を、悲しませて…裏切るようなことを言わないで。
迷惑をかけない人間なんていない。」


「……はい…。」



パパを…ママを…悲しませる…。


幾度となく、ママは私のことで涙を流してきていた。


…これ以上、泣かせたくない。


悲しませたくない、私の身体のことで悩ませたくない。



…笑っててほしい。


ママにも、もちろんパパにも笑顔でいてほしい。



「…リハビリは明日から。
お母様に悟られないように、基本は土曜日に。」


「…!!」



九条先生が…認めてくれた。


私の気持ちが伝わったんだ…!



「はい!頑張ります!」


「うん。
僕も、協力はするから。
その代わり…無理だけはしないでほしい。
少しでも、体調に変化が感じられたらすぐに言うこと。」


「分かりました!」


「……うん。
それなら大丈夫だよ。
…帰りはどうするの?」


「途中までは自力で帰ります。
今日、父には病院に来ること言ってないので…。」



病院から離れたら、パパにお迎えを頼もう。


そろそろ腕が痛い。





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