君が見せてくれた、私の世界
「や、やだ…。
子どもっぽいって、思ったでしょ?」


「ううん。
純粋で可愛いよ。」


「……もう…。」


「あははっ、顔真っ赤〜!
…ねぇ、想世架ちゃん。
良かったら…想世架ちゃん、描かせてもらえないかな?」


「えっ!?」



今、なんて言った…?
私を描く……?
私をモデルにして描くってこと?



「そんなに驚かないで?
あ、もしかして…恥ずかしいから嫌?」


「嫌じゃないけど…。
私なんかがいいのかなって…。」


「もちろん。
想世架ちゃんだから、描きたいって俺思ったの。
俺がここにいた証として、想世架ちゃんと出会ったことの思い出として。
…描かせてもらえたら嬉しい。」


「…おねがい、します。」


「ありがとう!
俺の体調もあるし、想世架ちゃんの体調もあるからゆっくり描き進めるね。」



直央くんが生きた証…。
それが、絵。
やっぱり…なにか生きた証を残すんだ。
それが直央くんの使命なのかな。




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