君が見せてくれた、私の世界
「直央くんは、退院予定とかないの…?」


「うん。
俺…骨に癌、あるから。
それが取り除かれない限り退院は出来ないかな。」


「あ…ごめんなさい…。」


「ううん。謝らないで?
それより、想世架ちゃんは?」



癌、なんだ…。
ステージがどれくらいなのか分からないけど、あんまり酷くないといいな。



「私は…無理だよ。
人よりも、血液を作る機能が弱かったりそれのせいで免疫力が下がってるから…。」



バランス悪いんだ、と笑って答えたら。
直央くんは悲しそうに寂しそうに、眉をひそめて私を見た。


どうしてそんな顔するの…?
そんな、悲しそうな顔……。



「……笑わないでよ、想世架ちゃん…。」


「直央くん…?」


「そんなふうに、悲しそうに笑わないで…。
見てる方が辛くなるから…。
想世架ちゃんには、自然に笑っててほしいな。」



…そんなこと、初めて言われた…。
嬉しくて、恥ずかしくて。
ドキドキして……自然と、直央くんに笑顔を向けた。


そうしたら、その方がいいって。
直央くんも笑ってくれた。





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