君が見せてくれた、私の世界
「ねぇ、パパ。」


「ん?なんだい?」


「私ね…学校に行きたくて堪らないの。
学校が楽しみなんだぁ…。」



本当に楽しみで仕方がないの。


学校に入る前は、ただ怖い場所ってイメージしかなかったけど…今は違う。


友達に会うのが楽しみで、わくわくしてる。



「そよが人と関わることを楽しいと思えるようになって、パパは嬉しいよ。」




そんな話をしながら、車を走らせること数分。


久しぶりの我が家に着いた。


なんにも変わってなくて、リビングに入るとキッチンで料理をするママがいて。


ダイニングテーブルにはママの手料理が沢山並んでる。



「お帰りなさい、そよ。」


「ただいまママ。」



車椅子から腕を伸ばすと、ぎゅっとママが抱き締めてくれる。


ママの温かさが直に伝わって、なんだか泣きそうになる。



「あなたお帰りなさい。」


「ただいま。
…そよ、お帰り。」


「パパ…!」



3人でぎゅーっと抱き合う。


幸せって…これのことを言うんだ。




それから、ママの作ったハンバーグを食べて…3時にはお茶をして。



3ヶ月ぶりに自分の部屋でベッドに横になった。



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