クールな御曹司の一途な独占欲
はしゃいでいた気持ちがワントーン下がってしまい、私はメニューに目を戻した。
最初はマスターのオススメを、と本部長に耳打ちする。
マスターから私をイメージして作ったと出されたカクテルは、透き通ったピンクの綺麗なカクテルだった。
ついでにさくらんぼも乗っている。
ピンクにさくらんぼという年でもないんだけどな、と思ったけれど、そのカクテルを見て、本当は私がしたかったのはこういう恋だったなぁ、と素直に思ってしまった。
逆三角の華奢なグラスに並々と注がれたカクテルを、本部長のものとカツンと合わせる。
「誕生日オメデト、香坂さん」
「ありがとうございます」
本部長のグラスは、大きな丸い氷の入ったウィスキーだった。
それを飲み慣れているようで、そういえば彼はマスターには特に注文していないのにそれが出てきた。
本部長はそれをコロンと音を鳴らして、上品に口をつける。
「本部長、お酒がすごく似合いますね」
英国の王子様のような甘い顔立ちをしているのに、この薄暗い雰囲気と、ゆっくり口に運ぶウィスキーの音が合わさって、とても妖艶だった。
「フフ、誉められてるのかな?」
「どちらかと言えば、そうですね」
本部長のこんな姿を見ていると、当然だけど胸がドキドキと鳴って止まらなかった。