クールな御曹司の一途な独占欲
本部長が躊躇している理由は分かってる、入っているのが私の胸のポケットだからだ。
「ホントに、キミはお酒を飲んじゃだめかもね・・・」
彼はそう呟いたけれど私がこうなったのはお酒のせいだけじゃない。
相手が本部長だからだ。
こうして甘く叱られることは不思議なほど心地よかった。
私は今まで男性に甘えられるばかりで、甘やかしてもらったことなどない。
そのせいか本部長が優しい口調で「まったく」と漏らし、そして言うことを聞いてくれることが気持ち良かった。
酔っているせいでそれに甘え続けてしまう。
本部長は観念して、私の胸ポケットから鍵をするりと抜いた。
「あっ、」
中に入っていた鍵からゴロリと刺激を受けたせいで、本部長の手は触れていないのに変な声が漏れてしまった。
「香坂さんっ、あのねぇ・・・」
「す、すみません、だって鍵が・・・」
「もおおお、ホントにキミは・・・」
そう言いながらもその鍵を差し込んでドアを開けてくれて、私を中に入れてくれた。
ゆっくりと一段高い玄関に座らせてくれて、ヒールを脱ぐところまで付き合ってくれた。
そしてまた彼はひとつため息をついた。