クールな御曹司の一途な独占欲
「じゃあ明日3時、社長室に来てね。よろしく」
「はい」
社長が本部長室を出ていこうと扉に手をかけたところで、本部長は痺れを切らして声をあげた。
「ちょっと父さん、何、明日なにがあるの?牧田さんの用事って何」
父親に対する話し方にしては随分と雑な言い方だった。
本部長は仕事中は社長に対しても敬語だったのに。
そして社長は相変わらず、それに対して笑顔に答えるだけだった。
「んー?涼介にはナイショ」
「父さん!」
バタン
ドアが閉まると、本部長は社長に向けていた視線をそのままくるりと私の方へ向けた。
それが鋭くて、ビクンと体が跳ねた。
「香坂さんは知ってるの?何の用事か」
「え、えぇ、まあ・・・大したことではありません」
牧田さんに会うわけではないけれど、本部長の発言が発端となっているトラブルだから、説明がしにくく言い淀んだ。
そもそも社長がナイショと言ったのだから、私も黙っていたほうがいいのかもしれない。