ハイバネーション 【完】
「今年のクイズ、難しいな」

『うん。全然わからないよ』

「な。俺も、選ぶ人が多い方選んだ」

『あ、あたしもっ』


そう言った瞬間、
手をぎゅっと握られた。


混雑したスペースの中で、
気づく人はいないだろうけど。
先生は、表情一つ変えず
こっちを見ることもなく
だまって
あたしの隣に立ったまま
あたしの手を、握りしめた。
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