メガネ地味子の隠した事情
プロローグ
今年も暑いな。

高校最後の夏も趣味に勤しみ楽しんでいる私は今日は登校日のため久しぶりに制服に袖を通して通学路を歩く。


なぜ、この暑いさなかにわざわざ学校に行かなきゃいけないのか。
毎年疑問だったが致し方ない。
真面目な子として通っている学校を疎かには出来ず、きちんと夏休みの登校日も学校へ行く。

ホントは自宅でやりたい事があって家から離れたくはなかったのだが。


眼鏡をかけて、ショートボブの黒髪で制服はしっかりと着込んだ真面目な女子高生。
それが学校での市ノ瀬ひかる17歳の姿だ。

今どきメイクや茶髪やピアスなんてのも珍しくない女子高生の中に交じると、日焼け止めのBBクリームとリップしか付けてない私は地味目の女子高生だ。

高校3年生にもなると周りの女子はバッチリのフルメイクの子が増えるから。


ましてや私は趣味の為に家から近い高校を選んだおかげでどちらかと言うと男女共に派手な子が多い、いわゆる底辺校に在籍している。

なので私は周りからは地味子と揶揄されている。

しかしそれは自発的にしているため言われることも分かっているので気にもならない。

私は至ってマイペースに高校生活を送っていた。
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