ハニー♡トースト


「え…?」


「どこが悪いんだ?腹が痛いのか?頭か?それともさっきずっと中庭にいたから、熱中症か?」


矢継ぎ早に聞かれ、言葉がうまく出ない。


「あ…の…窓拭き…」


「バカ!そんなの後でいい!お前の体のことをまず考えろ!」


朔弥の真剣な目に、私は驚く。


そして、同時に、胸が軽くなるのを感じた。


「…もしかして、心配してくれてるんですか?」


「当たり前だろ、バカ」


…そっか。そうなんだ。


私、心配されてるんだ。


「ふっ…」


「おい、何笑ってんだよ」


なんでだろう。


私、心配されて嬉しいんだ。

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