彼の笑顔に出逢いたい
「はぁ……」


鏡台に手をついてため息を吐く。

鏡に映る自分の顔は、なんだかとても疲れきっていた。

その時、トイレに近づいて来る足音が聞こえ反射的に入り口に目を向ける。


「あら…」


女子トイレに入ってきたその人物と目が合った瞬間、気まずく重たい空気が一瞬私たちの間に流れた。


「こんばんわ…お久しぶりです。」

「久しぶり。あのキャンプの日…以来よね。」

「は、い。」


伊坂さんから逃げるように出てきたここで、今一番出会いたくなかった彼女に鉢合わせてしまうなんて。

自分の運とタイミングの悪さを呪いたい。

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