彼の笑顔に出逢いたい
顔が一段と熱を持つ。


思いっきり反応しているこんな顔を見られるのが恥ずかしくて、何も言葉を返せないまま彼に背を向けテーブルを拭き続けた。


「お前…。」


どうせ私はお子様だ…


「もうそれ位でいいんじゃねぇの…。」


言われて気づく。充分きれいなテーブルを意味もなく拭き続けていた自分が恥ずかしい。


「あ…そうです、ね。」


不自然に背を向けたまま返事だけを返した。


「…ま、いいけど。」


そう言って彼はもう一度、手に持った缶をテーブルの端に置いた。


部屋から出て行くと思っていたのに一向にその気配はなく、かわりに背後でソファの軋む音が聞こえた。


「お前も座れば。」なんて声までかけられた。
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