イジワル上司の甘い毒牙

「はは……ちなみに、今、電車って」


恐る恐る窓の方に顔を向ける。

強化ガラスでちょっとやそっとではビクともしない窓ガラスの向こうで、木々が吹き飛ばされそうなほどに揺れていた。


「明日の夕方まで運休予定だよ。俺は家がすぐ近くだから関係ないけど」


静かなオフィスに淡々と響き渡った日高さんの声に、私は頭を抱えた。


「ど、どうしよう……!」


どうして私が残っていても、今まで誰も教えてくれなかったんだろう。いや、そこまでの人望がないし当たり前か。

それより天気予報をきちんと見ておくべきだった。今日天気悪いな、くらいに思っていた朝の私を殴り倒したい。

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