【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。
「よーっし、終わったー!」
んーっと背伸びをして、ふぅと息をはく。
文化祭まであと一週間。
文化祭実行委員としての仕事もまだまだ忙しくなる一方で、ひとときも休む暇がない。
「当日の時間割りは、きっとこんな感じで大丈夫だよね」
「柚月、ごめん……まとめて、もらっちゃって」
「なに言ってるの! 彼方だって手伝ってくれたんだし、謝る必要なんてないってば!」
文化祭当日の、調理する人や接客する人が何時から何時で交代するかなど、今日決めた時間割を紙にまとめる。
その作業は思いのほか時間がかかり、気付けばもう放課後だ。
でも、こうして居残りをするのもあと少しだと思うとちょっと寂しかったり。
「じゃあこれ、先生に出してくるね」
「ゆ、柚月っ」
席を立った瞬間、彼方に腕をつかまれる。
「? どうかしたの??」
「俺が、出してくる……それぐらい、させて」