【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。



「……っ……ぁ」

「柚月? どうしたの柚月?」


彼方の真っ直ぐな気持ちが辛い。


私はこんなにも嘘をつき続けているのに、彼方は純粋に、真っ直ぐと私を見てくれている。


私のことを本当に心配して、私のために、手が真っ赤になるまで頑張って……


私とは、大違いだ。


「……彼方、ごめ……私……違う。彼方は私とは、違うくてっ」

「柚月? 柚月、落ち着いて」

「ごめんなさっ……彼方、ごめんなさい……っ」

「柚月……」


優しく、私を落ち着かせるように背中を撫でてくれる。


どうしよう、彼方の前で取り乱してしまった。

この前なんて、泣いちゃったし……また彼方に心配をかけてしまう。


心配をかける前に言わなきゃ。大丈夫だと、言わなきゃ。


< 249 / 416 >

この作品をシェア

pagetop