【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。
「……っ……ぁ」
「柚月? どうしたの柚月?」
彼方の真っ直ぐな気持ちが辛い。
私はこんなにも嘘をつき続けているのに、彼方は純粋に、真っ直ぐと私を見てくれている。
私のことを本当に心配して、私のために、手が真っ赤になるまで頑張って……
私とは、大違いだ。
「……彼方、ごめ……私……違う。彼方は私とは、違うくてっ」
「柚月? 柚月、落ち着いて」
「ごめんなさっ……彼方、ごめんなさい……っ」
「柚月……」
優しく、私を落ち着かせるように背中を撫でてくれる。
どうしよう、彼方の前で取り乱してしまった。
この前なんて、泣いちゃったし……また彼方に心配をかけてしまう。
心配をかける前に言わなきゃ。大丈夫だと、言わなきゃ。