【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。
「あの、彼方……これはその、違うの。ちょっと可愛いな~って思って買ってみただけで、お母さんがこれしか入れてなくてっ」
「……フード、猫耳?」
「わふっ!?」
何故か彼方は、私にそのフードを被せる。
すると……
「どうしよう……今すぐ、抱き締めたい」
「ふぇ!?」
両肩に手を置いて、じーっと私のことを見つめる彼方。
「彼方……?」
「凄く、可愛い……本当にどうしようっ」
フルフルと身体を震わせ、感動したように顔を赤くさせて私を見つめ続ける彼方。
私もお風呂から上がったばかりだからか、身体と顔が火照ってしかたない。
「か、彼方、もういいでしょ! 恥ずかしいからあんまり見ないでっ」
「柚月、顔真っ赤になってる。もっとよく見せて?」
「やだっ」
うぅ~っと唸りながら、フードで顔を隠す。
「……恥ずかしがって、そうやって顔を隠しちゃう柚月もとっても可愛い」
「なっ、う、うぅ……っ」
「そんなに唸らないでよ。本当のことしか、言ってないんだから」
「うぅぅ」
「もう、分かったから。とりあえず客間に案内するから、行こう?」
「…………うん」
差し出された彼方の手を、私はちょんとつかんだ。