【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。
「で、まさか君たちは僕を差し置いて〝そういう仲〟になったわけじゃないだろうな?」
怖いぐらいの満面の笑顔を彼方に向ける。
「……まだ、そういう仲ではない、かな」
彼方が答えると、満足そうに鬼龍院くんは頷いた。
「……よし、ではまだ時間はあるな。近衛クン、少し君と話がしたいんだ。なに、そんなに時間はかからないはずだ」
「お話……うん、分かった」
「……じゃあ俺、寒いから、温かい飲み物買ってくる」
彼方が気をつかい、私と鬼龍院くんを二人きりにしてくれる。
私と鬼龍院くんの間に、冷たい風が吹き抜けた。
「なあ近衛クン、だいたい察しはついてると思うんだが……いいかい?」
丁寧に私に今から言ってもいいかいと聞いてくれるあたり、鬼龍院くんは本当に優しくて、思いやりのある人なんだなと思う。
大丈夫。私自身と向き合って、そして鬼龍院くんの気持ちにも向き合う。
鬼龍院くんがちゃんと気持ちをぶつけてきてくれるから、私もそれに、心から答えたい。
「……もう、大丈夫」
そんな私を見て、鬼龍院くんは安心したように微笑んだ。
「では……時間もないことだし、率直に言わせてもらうよ」
真っ直ぐと私と目をあわせる。
覚悟を決めた、表情だった。