【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。


私の怒った声を聞いた瞬間、お母さんはうるさそうに顔をしかめた。


「あーあー、徹夜明けなんだから説教は後にして~! それよりもほら、着替えが入ったカバンはこっちで持って帰るからあんたはさっさと学校行きな? 今日は文化祭でしょ」

「そ、そうだけど……もう、帰ったら覚悟しててよ!? 彼方、行こう!」

「ん、じゃあ行ってきます」

「はい、行ってらっしゃい」


彼方のお母さんの行ってらっしゃいに続き、私のお母さんの「柚月も彼方くんも、気を付けてね~!」なんて声が聞こえてくる。


「もう、お母さんってばー!」

「俺はあのパジャマ、凄く可愛いと思ったけど」

「で、でもやっぱり恥ずかしいしっ」


猫耳モコモコふわっふわパジャマ。


まあでもせっかく買ったんだし、もうちょっとぐらいは着ようかなぁ……彼方もこうして可愛いって言ってくれてるし……なんてね。


「やぁ、近衛クンに一色クン、おはよう!」


彼方と少し歩いたところで鬼龍院くんと出会い、驚いて私は目を丸くした。


「鬼龍院くん!? なんでここに」

「君の顔が見たくてね近衛クン。……うん、実に良い顔色だ。もう本当に大丈夫みたいだね」

「鬼龍院くん……心配してくれて、ありがとう」


こうして心配して、わざわざ家とは反対方向のここまで来てくれるなんて……。


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