【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。
……でも、そう。鬼龍院司は二位に転落してしまったのね。
勉強だけは誰にも負けないと、意味も分からないまま頑張っていた彼。
そんな彼の栄光は、今、崩れ去ったのだ。
「きっともう、限界だったのよ、あなた」
努力の意味も分からないまま努力し続けるのには、きっと限界がある。
目標もなく、ただ言われたからと一番を取り続けて、その先にはなにがある?
こうして二位に転落してしまったことで、もう一度努力する意味を考えるべきだわ。
それに……
(一番だけが全てではないと、もっと周りをよく見るべきよ)
それを伝えられるほど、わたしは口が達者ではないから。