【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。



……でも、そう。鬼龍院司は二位に転落してしまったのね。


勉強だけは誰にも負けないと、意味も分からないまま頑張っていた彼。

そんな彼の栄光は、今、崩れ去ったのだ。


「きっともう、限界だったのよ、あなた」


努力の意味も分からないまま努力し続けるのには、きっと限界がある。

目標もなく、ただ言われたからと一番を取り続けて、その先にはなにがある?


こうして二位に転落してしまったことで、もう一度努力する意味を考えるべきだわ。


それに……


(一番だけが全てではないと、もっと周りをよく見るべきよ)


それを伝えられるほど、わたしは口が達者ではないから。


< 384 / 416 >

この作品をシェア

pagetop