【完】無気力な幼馴染みがどうやら本気を出したみたいです。
「一つだけ、これだけはあなたも同じ意見だと思うのだけれども」
「なにかね?」
ニッコリと嘘の笑顔を張り付けて、鬼龍院司の方を真っ直ぐ見た。
「あなたとは死んでも友達になんてなってやらないわ」
「確かに同意見だ」
こうして夜はふけていく。
その宣言通り、特別仲良くなんてならないまま年月はたち……
高校二年生の、ある日のことだった。
「……あら、珍しい」
思わず声が出てしまうほどには、心の底から驚いていた。
あの鬼龍院司が、いつもテスト成績一位を取っていたあの鬼龍院司が、
なんと今回は二位になっていたのだ。
一位は……
「一色……彼方」
その名前には嫌と言うほど聞き覚えがあった。
忘れたくても忘れられない、あの、いつも柚月さんに引っ付いてる男ね!?