こっち向いて笑って、先輩!


「無理とか無理じゃないとかそういう話じゃなくて…好きなものはしょうがないっていうか…」


「まぁ、そうかもしれないけどさ…現実、本当に好きな人と付き合えてる人なんてちょっとしかいないと思うよ」


「え、どういうこと?」


持ってたお箸を置いて、前のめりで聞く。


「妥協っていうか、身の程をわきまえるっていうか?夢見すぎたり欲張りは良くない」


話がさっぱりわからない。


「ちょっと、何その顔〜」


「だってぇ…わかんないよ…好きでもない人と付き合うってこと?」


「好きじゃないっていうか…許容範囲ならとりあえず付き合ってみるっていうか?ぼっちよりマシじゃん?」


ますますわかんない。
好きじゃない人と一緒に過ごす特別な日なんて、結局は1人でいるのと変わらないんじゃ。



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