こっち向いて笑って、先輩!
「おい、来原〜!お前今日日直だろ!」
っ?!
突然、大きな声で名前を呼ばれ体がビクッと跳ねる。
恐る恐る振り返ると、ドアの前でこちらを睨んでる男がいた。
高校生になって一番最初の席で隣だった飯田 快(いいだ かい)。
口うるさいこのクラスの学級委員だ。
「あ、ごめん…忘れてた…」
「忘れてた、じゃねぇ。とっとと女子のノート集めろバカ!」
くっ…相変わらず口が悪い。
この人、どうも私にだけ当たりが強いんだよな。
まぁ、バカなのは自覚してるから反論できないんですけど。
私は、食べかけの弁当を片付けて席を立つ。
「ほら〜ああいうのとかさ」
「え?」
グループの子が、なにやらニヤニヤしながら飯田と私を交互に見る。
え、それって…どういう…。
も、もしかして、飯田と付き合えばってこと?!
いや、なんで?!
無理無理無理無理!ありえない!
てか、私絶対嫌われてるし!
っていうか、恋愛対象とかいうレベルじゃないし!
「何言ってんの!ありえないよ!」
「おい来原!とっとと集めろ!」
ひいっ!!
うん、この人は、絶対違うと思うよ。