こっち向いて笑って、先輩!


「あ、ちょっとちょっと!さっきなんか揉めてなかった?体育館から見えてたよ」


グラウンドから帰ってきたクラスメイトの男子にグループの1人が呼び止めてそう聞いた。


「あ〜。なんか、飯田が真壁に喧嘩ふっかけてさ」


困ったように頭をかきながらそういう。

え?飯田が?


「はい?飯田から喧嘩売ったわけ?絶対おかしいでしょ〜」


「いや、ほんとなんだって。なに言ったか知らないけど、スタート前に隣にいた真壁に、飯田が……」


「おい」


っ?!


喧嘩の原因をみんなで聞き出そうとしていたら、後ろから低い声がして振り返ると。


「っ、真壁」


真壁くんが、口元を氷水の入った袋で抑えながら現れた。


< 115 / 270 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop