こっち向いて笑って、先輩!
ん〜どこに座ろうか。
「来原、席ここ空いてるぞ」
っ?!
振り返ると、真壁くんが自分の席の隣を指差していた。そこには何人か男友達もいるみたいだけど。
あの中に私が入っていいの?
「あっ、うん!」
あの真壁くんから席を提供してもらえるなんて。
来原、感無量であります!
「あー!来原さんって、体育祭の時に転んでた!」
「おじゃまします」と言って席に座ると、私のことをジーっと見ていた男子が思い出したようにそう言った。
「あ、はい、そうです。その時は本当に真壁くんにお世話になって……」
「いやー来原さんのお陰で俺も久々に隼の本気の走り見れたから良かったよ」
「なんだよ本気の走りって。はい来原、カレーうどんうめーからこっちも食べて」
っ?!
真壁くんは、取り皿を取ってきてそれにうどんを入れてから私に差し出した。
「あっ、じゃあ、真壁くんもオムライスどうぞ!」
「うん、ごめん。そのつもり!シェアできた方が美味しさ2倍だよな〜」
真壁くんはそう言って、オムライスの方も取り皿に少しよそった。