こっち向いて笑って、先輩!
今日も、真壁くんのことをまたたくさん知れた。
真壁くんは、こうやって食事をシェアするのが好きな人なんだな。私も好きだからなんか嬉しい。こういうの、得意じゃない人もいるもんね。
「あ、そういえば、真壁くんって陸上部入らないの?あんなに足速いのに。中学の頃はやってたんだよね?」
「んー、まぁー」
あれ?
オムライスを口に運んでもぐもぐしている真壁くんの視線が晒されて、聞かなきゃ良かったかなって思った。
もう部活をやらない理由、言いたくないのに無理やり聞き出す感じになっちゃったかな。
「話、聞いても別につまんないよ。それでも聞く?」
「真壁くんが私に話していいんだったら!是非、聞きたいです!」
真壁くんの友達はもうご飯を食べ終わっていて、スマホゲームをグループで始めているから、落ち着いて2人で話せる空気が出来上がっていた。