こっち向いて笑って、先輩!





「……もう、無理だ」


火傷の手当てを救護室で受けてから、私はみんなとは少し遅れて、班のメンバーが作ってくれたカレーを一口食べて、そうつぶやく。


少し前まで、先輩を見られるだけで話せるだけですごく幸せだって感じていたのに。


先輩と過ごす時間が増えれば増えるほど、やっぱりどこか期待してしまっていて、先輩に特別な人がいたかもしれない、いるかもしれないって思うと、今までに感じたことない不安が襲ってくる。


恋ってキラキラしててもっと幸せになるものだと思っていたし実際ちょっと前までそうだったのに。


欲張りになっちゃってる証拠なのかな……。


「桃ちゃん大丈夫?!」


名前を呼ばれたので、ハッと顔を上げると、そこには野村先輩が慌てた様子で立っていた。


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